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「腰痛があるなら腹筋を鍛えた方がいい」
一方で
「腹筋をすると腰が悪化する」
こんな正反対の情報を見て、何が正しいのか分からなくなっている方は多いと思います。
結論からお伝えすると、腰痛がある人にとって腹筋は必要です。
ただし、それは やり方が合っている場合に限る という条件付きです。
この記事では、理学療法士の視点から
- 腰痛と腹筋の本当の関係
- 腰痛を悪化させやすい腹筋トレーニング
- 腰にやさしい体幹の考え方
を、分かりやすく解説します。
腰痛がある人に腹筋は必要?
まず誤解されやすい点ですが、腹筋は本来 腰を守るために必要な筋肉 です。
体幹が安定することで、
- 背骨への負担を減らす
- 日常動作で腰がグラつきにくくなる
といった役割を果たします。
ただし、多くの方が思い浮かべる
「腹筋=上体起こし(シットアップ)」
これは 腰痛のある方には向いていないケースが多い のです。
腰痛を悪化させやすい腹筋トレーニング
シットアップ(上体起こし)
いわゆる腹筋運動の代表ですが、
シットアップでは腰椎に強い圧縮ストレスがかかります。
特に、
- 反動を使って起き上がる
- お腹より先に腰を反らせてしまう
こうした動きは、
腰にとって大きな負担になります。
反り腰を助長する腹筋トレーニング
腰痛がある方の多くは、無意識に 反り腰の姿勢 になっています。
その状態で腹筋を行うと、
- 肋骨が開いたまま
- 骨盤が前に倒れたまま
になりやすく、腹筋を鍛えているつもりが腰への負担を増やしてしまうことがあります。
「腹筋が悪い」のではなく「使い方」の問題
ここで大切なのは、腹筋そのものが悪いわけではない という点です。
問題になりやすいのは、
- 腹直筋(表面の筋肉)だけを使っている
- 体幹全体が連動していない
- 腰が代わりに頑張ってしまっている
という状態です。
このような使い方では、腹筋運動が 腰を守るどころか、腰を酷使する動き になってしまいます。
腰痛がある人におすすめの体幹の考え方
腰痛がある方には、「腹筋を鍛える」というより
体幹で身体を支える感覚を身につける ことが大切です。
ポイントは次の3つです。
- 腹横筋や多裂筋など、インナーマッスルを意識する
- 固めすぎず、安定した状態を作る
- 呼吸と連動させて無理なく行う
ピラティスでは、この「支える体幹」を安全に練習していくことができます。
腰にやさしい代替エクササイズの例
腰痛がある方には、次のような 低負荷で安全な体幹エクササイズ から始めるのがおすすめです。
- ドローイン呼吸
- ニュートラル骨盤を意識したブリッジ
- 四つ這い姿勢での安定練習
いずれも、
- 腰を反らせすぎない
- 痛みが強くならない範囲で行う
ことが重要です。
※ 痛みが強く出る場合は無理に行わず、専門家に相談しましょう。
まとめ|腰痛があるなら腹筋は慎重に
腰痛がある人にとって、腹筋は 必要な存在 です。
ただし、
- 自己流
- 勢い任せ
- 「きつい=効いている」という考え方
これらは腰痛を悪化させる原因になります。
「このやり方で合っているのかな?」
と少しでも不安がある場合は、まず 身体の状態を確認すること から始めてください。
腰に合った進め方を選ぶことが、腰痛改善への一番の近道です。
