腰痛がつらいとき、「とりあえずマッサージを受けると楽になる」
そんな経験がある方は多いと思います。
一方で、
- その時は良くなるけど、またすぐ戻る
- 「腰痛にマッサージは意味がない」と聞いて不安
- 結局、何をすればいいのか分からない
こうした疑問を感じている方も少なくありません。
この記事では、理学療法士の視点から
- 腰痛に対するマッサージの効果
- 「意味がない」と言われる理由
- マッサージが向いているケース
- 腰痛を根本から改善するための考え方
を、できるだけ分かりやすく解説します。
CONTENTS
腰痛にマッサージは効果がある?
結論からお伝えすると、マッサージは腰痛に対して一定の効果があります。
具体的には、
- 筋肉の緊張をゆるめる
- 血流を促進する
- リラックス効果によって痛みを和らげる
といった点で、つらい症状を一時的に軽減する助けになります。
「マッサージを受けて楽になった」と感じるのは、決して気のせいではありません。
なぜ「腰痛にマッサージは意味がない」と言われるのか
ただし、マッサージについて「意味がない」「続かない」と言われる理由もあります。
その最大の理由は、腰痛の原因そのものが変わっていないことが多いからです。
多くの腰痛は、
- 姿勢のクセ
- 身体の使い方
- 体幹の不安定さ
といった 「動き」や「日常動作」 に関係しています。
マッサージは筋肉をゆるめることはできますが、日常の動きや姿勢を変えることはできません。
そのため、
- 数時間〜数日は楽
- でも生活に戻ると再発
という流れになりやすく、「意味がない」と感じてしまうのです。
腰痛でマッサージが向いている人・向いていない人
ここで大切なのは、マッサージがダメなわけではない ということです。
マッサージが向いているケース
- 痛みが強く、動くのがつらい時期
- 筋肉の緊張がかなり強い
- 不安が強く、まずリラックスしたいとき
特に、痛みや恐怖感が強い状態で
いきなり運動を始めるより、
マッサージで緊張を下げるのは合理的です。
マッサージだけでは足りないケース
- 腰痛を何度も繰り返している
- デスクワークなど姿勢が原因と思われる
- 「その場しのぎ」から抜け出したい
このような場合は、マッサージだけでは再発を防ぎにくくなります。
腰痛を根本から改善するために必要な視点
腰痛を根本から改善するためには、マッサージに加えて もう一つ大切な視点があります。
それが、身体の使い方を整えること(再学習)です。
- 体幹で身体を支える
- 背骨や骨盤を安定させる
- 無意識の動きのクセを見直す
こうした要素は、受け身のケアだけでは身につきません。
ピラティスや運動療法では、自分で身体を動かしながら正しい使い方を学び直すことができます。
マッサージとピラティスは対立しない
マッサージと運動は、どちらか一方を選ぶものではありません。
- 痛みが強い時期 → マッサージで緩和
- 状態が落ち着いたら → 運動で再発予防
このように、役割とタイミングを分けて併用するのが理想的です。
「楽になる」と「良くなる」は違う。
この視点を持つことが、腰痛改善ではとても大切です。
👉 腰痛全体の考え方や、ピラティスとの関係については
【腰痛×ピラティス完全ガイド】の記事で詳しく解説しています。
まとめ|腰痛にマッサージは“意味があるが万能ではない”
腰痛に対して、マッサージは 意味のあるケアです。
ただし、
- 再発を防ぎたい
- 根本から改善したい
- 腰痛と長く付き合いたくない
という場合は、マッサージだけでは不十分になることがあります。
「今の自分には何が必要なのか」
それを見極めながら、
- マッサージ
- 運動・ピラティス
を組み合わせていくことが、腰痛改善への近道です。
不安がある場合は、専門家と一緒に身体の状態を確認しながら進めていきましょう。
