「ストレッチもしているし、姿勢も意識している」
「でも仕事に戻ると、気づけばまた猫背になっている」
デスクワーク中心の方から、こうした声をよく聞きます。
実はこれ、
意識が足りないわけでも、努力が足りないわけでもありません。
デスクワークという生活そのものが、
猫背を“治りにくくする条件”をいくつも作ってしまっているのです。
CONTENTS
「ちゃんと意識しているのに治らない」デスクワーク猫背の正体
猫背がなかなか改善しない方の多くは、
「姿勢を正そう」と一生懸命です。
それでも戻ってしまうのはなぜか。
理由はシンプルで、
体が“正しい姿勢を感じ取れなくなっている”状態だからです。
特にデスクワークが長い方ほど、この状態に陥りやすくなります。
デスクワークが続くと「正しい姿勢がわからなくなる」
長時間座っていると、体に感覚が入らなくなる
座りっぱなしの姿勢では、
- 体重のかかり方が変わらない
- 関節の位置がほとんど動かない
- 筋肉が同じ緊張パターンを繰り返す
という状態が続きます。
すると、脳は
「今、体がどうなっているか」を感じ取る必要がなくなってしまいます。
これがいわゆる
姿勢の感覚が鈍くなった状態です。
骨盤を起こす・背骨を伸ばす感覚が消えていく
猫背の方に
「骨盤を立ててみましょう」
「背骨をまっすぐにしてみましょう」
と伝えると、
「それが正解なのか分からない」
「どこが動いているのか分からない」
と言われることが少なくありません。
これは「できない」のではなく、
体の位置を感じるセンサーが弱くなっている状態です。
視線が固定されると、姿勢はどんどん崩れていく
画面を見る生活は、眼球運動を止めてしまう
デスクワーク中、多くの人は
- 画面を見続ける
- 視線がほぼ一点に固定される
- 周囲を見る動きが減る
という状態になっています。
実は、
目の動き(眼球運動)は姿勢制御と深く関係しています。
視線が動かない生活は、
姿勢を調整する神経の働きも単調にしてしまいます。
眼球運動が減ると、姿勢制御も単調になる
人の体は、
- 目
- 頭
- 体幹
を連動させて姿勢を保っています。
視線が動かなくなると、
体全体の動きも止まりやすくなり、
結果として
前かがみ姿勢が“固定化”しやすくなるのです。
頭を動かさない生活が、バランス感覚を弱くする
デスクワークでは前庭機能が使われにくい
長時間のデスクワークでは、
- 頭の位置がほぼ固定
- 上下左右に動かす機会が少ない
という状態が続きます。
これは、
バランスを司る前庭機能がほとんど使われない生活とも言えます。
バランス感覚が弱いと、体は前に倒れやすくなる
前庭機能が弱くなると、
- 体を起こしておくのが疲れる
- 安定する位置を前に求めやすくなる
結果として、
頭が前に出た猫背姿勢の方が“楽”に感じるようになります。
首の奥が緊張し続けると、姿勢センサーが鈍くなる
目線を上げるほど緊張する「後頭下筋群」
前かがみ姿勢のまま画面を見ると、
- 頭は前に出る
- 目線だけを上げて画面を見る
という状態になります。
このとき、
首の奥にある後頭下筋群が過剰に緊張します。
姿勢を感じ取るセンサーが疲れてしまう
後頭下筋群は、
筋紡錘(姿勢センサー)が非常に多い筋肉です。
常に緊張し続けると、
- センサーが過剰に働く
- 情報処理がうまくできなくなる
結果として、
自分の頭や首の位置が分かりにくくなる状態が起こります。
これも、猫背が治りにくくなる大きな理由です。
だからデスクワーク猫背は「意識」だけでは治らない
ここまでをまとめると、デスクワークの人は
- 姿勢の感覚が鈍くなる
- 視線・頭・体の連動が弱くなる
- 姿勢センサーが疲れてしまう
という状態に陥りやすくなっています。
この状態で
「背筋を伸ばそう」「気をつけよう」としても、
体にとっては
何が正解か分からないまま頑張っている状態です。
だから、すぐ戻ってしまうのです。
デスクワークの人に本当に必要なのは「姿勢矯正」ではない
まず取り戻すべきは、姿勢の感覚
デスクワーク猫背の改善で最優先なのは、
- 正しい位置を覚えること
- 体で感じ直すこと
です。
形を整える前に、
感じられる体に戻すことが必要です。
視線・頭・体を一緒に動かす運動が必要
そのためには、
- 呼吸
- 視線の動き
- 頭や体幹の連動
を含めた運動が欠かせません。
ここで初めて、
姿勢が「意識しなくても保てる」状態に近づいていきます。
「治す」より先に、「感じられる体」に戻すことから
デスクワークだから猫背が治らないのではありません。
デスクワークによって、
姿勢を感じる力が弱くなっていただけなのです。
猫背改善は、
- 気合
- 我慢
- 根性
で行うものではありません。
なぜ治らなかったのかを知り、
正しい順番で体を整えることで、
デスクワークの方でも猫背は十分に変えていけます。
猫背改善の全体像や、
「何から始めるべきか」「順番を間違えるとどうなるか」については、
こちらの記事で詳しく解説しています。
