「スマホを使う時間が増えてから、猫背が気になるようになった」
「姿勢を意識しても、気づくとまた丸まっている」
そんな悩みを抱えている方は、とても多いです。
多くの場合、
「スマホを見る姿勢が悪いから」
「首が前に出ているから」
そう説明されることが多いですが、
それだけでは“なぜ治らないのか”までは説明できません。
この記事では、
スマホ猫背が起こる本当の仕組みと、
頑張っても改善しにくい理由を、
理学療法士の視点から分かりやすく解説します。
CONTENTS
スマホ猫背とは?多くの人がイメージしている原因
スマホ猫背というと、
多くの人がこんな姿勢を思い浮かべます。
- 首が前に突き出ている
- 背中が丸くなっている
- 肩が内側に巻き込まれている
これは決して間違いではありません。
首が前に出る・頭が重くなるという説明は間違っていない
頭は体重の約10%ほどの重さがあります。
首が前に出れば出るほど、
首や背中にかかる負担は大きくなります。
スマホをのぞき込む姿勢が続けば、
首・背中・肩に負担がかかるのは自然なことです。
ストレートネック・巻き肩との関係
スマホ姿勢が続くことで、
- 首のカーブが失われる
- 肩甲骨が外に開く
- 胸が潰れる
こうした変化が起こり、
「ストレートネック」「巻き肩」「猫背」が同時に進行していきます。
ここまでは、多くのサイトでも説明されている内容です。
でもそれだけでは説明できない「治らないスマホ猫背」
問題はここからです。
スマホ猫背に悩む人の多くが、
こう感じています。
- 姿勢を意識してもすぐ戻る
- ストレッチをしても定着しない
- 整体では良くなるけど続かない
姿勢を意識してもすぐ戻る理由
それは、
正しい姿勢が「楽じゃない」からではありません。
正確には、
正しい姿勢が「分からなくなっている」のです。
ストレッチや整体で定着しない理由
一時的に体を整えても、
自分の体が「どこが真っ直ぐなのか」を感じ取れなければ、
日常に戻った瞬間に元の姿勢に戻ります。
スマホ猫背が治りにくい本当の原因は、
見た目や筋力だけではありません。
スマホ姿勢が奪っているのは「筋力」よりも「感覚」
長時間のスマホ・デスクワーク生活で起きているのは、
筋力低下だけではありません。
長時間座りっぱなしで起きている感覚入力の偏り
座っている時間が長いと、
- 骨盤がほとんど動かない
- 背骨の動きが減る
- 体重のかかり方が偏る
結果として、
体から脳への感覚情報が極端に少なくなります。
自分のニュートラルポジションが分からなくなる体
本来、私たちは
「今、丸まっている」「今、伸びている」
という感覚を自然に感じ取れます。
しかしスマホ姿勢が常態化すると、
その感覚自体が鈍くなります。
これが、
「正しい姿勢を取ろうとしても分からない」
状態の正体です。
視線固定が引き起こす眼球運動と前庭機能の低下
スマホを見ているとき、
体はほとんど動いていません。
スマホ中、目はほとんど動いていない
画面との距離も、視線の高さも、
ほぼ一定。
目は動いているようで、
実際には非常に単調な使われ方をしています。
頭を動かさない生活でバランス感覚が鈍くなる
視線が固定され、頭も動かさない生活が続くと、
前庭機能(バランスを感じる機能)が低下します。
これにより、
- 頭の位置を感じにくくなる
- 体の傾きを修正できなくなる
姿勢が崩れても、
「違和感」を感じにくくなるのです。
目線を上げたときに起こる「後頭下筋群の過緊張」
スマホから視線を上げて
画面や人を見るとき、
多くの人は体ではなく首だけで調整します。
首だけで視線を上げる体の使い方
このとき過剰に働くのが、
後頭下筋群と呼ばれる首の奥の筋肉です。
センサーとして重要な筋が鈍くなる仕組み
後頭下筋群は、
筋紡錘(センサー)が非常に多い筋肉です。
使いすぎることで、
- 常に緊張した状態になる
- センサーとしての精度が下がる
結果として、
頭と体の位置関係を正確に感じ取れなくなります。
これも、
スマホ猫背が治りにくい大きな要因です。
なぜスマホ猫背は「頑張っても治らない」のか
ここまで読むと、
あることに気づくかもしれません。
楽な姿勢が悪いのではない
スマホ猫背は、
サボっているから起きているわけではありません。
その姿勢が、
今の体にとって一番楽だから選ばれているのです。
正しい姿勢を取ろうとしても分からない理由
感覚が鈍くなった体では、
正しい姿勢を取ろうにも、
どこが正解か分かりません。
だから、
- 頑張る
- 意識する
- 我慢する
という方法では、
長続きしないのです。
スマホ猫背を変えるために本当に必要なこと
必要なのは、
姿勢を無理に正すことではありません。
姿勢の前に「感覚」を取り戻す
まず必要なのは、
- 背骨の位置を感じる
- 骨盤の立ち方を感じる
- 頭の位置を感じる
こうした感覚を取り戻すことです。
運動でしか取り戻せない理由
感覚は、
動きの中でしか育ちません。
適切な運動によって、
- 呼吸
- 体幹
- 視線
- バランス
を同時に使うことで、
体は少しずつ姿勢を「思い出して」いきます。
スマホ猫背に悩む人が最初に知っておいてほしいこと
スマホ猫背は、
- 年齢のせい
- 意志の弱さ
- 努力不足
ではありません。
体の使い方と感覚の問題です。
だからこそ、
仕組みを知るだけで、
遠回りは確実に減ります。
もし、
「何から始めればいいか分からない」
「自分の場合はどうなのか知りたい」
そう感じた方は、
猫背の全体像や改善の考え方をまとめた
こちらの記事も参考にしてみてください。
