ピラティス&パーソナルトレーニング イレ

名古屋・栄で「一生モノの美姿勢」を叶える理学療法士のマシンピラティス|姿勢改善・ボディメイクを根本から

column

コラム

2026.08.01

二重あごはストレートネックが原因?顔だけケアしても変わらない理由

二重あごが気になり、顔まわりのマッサージや舌のトレーニングを続けていませんか。

もちろん、二重あごには顎下の脂肪、むくみ、皮膚のたるみ、顎の骨格なども関係します。しかし、体重が大きく変わっていないのに横顔の顎下だけが目立つ人は、顔だけではなく、ストレートネックによる頭の位置を見直す必要があります。

特に、横から写真を撮ったときに耳が肩より前にある人、背中が丸く首が短く見える人、顎を引くと二重あごがさらに強調される人は、頭と胸郭の位置関係が顎下の見え方に影響しています。

このタイプの二重あごは、顎下だけを揉んでも根本的には変わりません。

頭が背骨の上へ戻れるように、首だけでなく、胸椎、肋骨、肩甲骨まで見直すことが大切です。

二重あごは脂肪の量だけで決まらない

二重あごというと、多くの人が「太ったから」「顔に脂肪がついたから」と考えます。

しかし、同じ体重でも、顎を強く引いたときと、頭を自然に起こしたときでは、顎下の見え方が大きく変わります。

これは、二重あごの見え方が脂肪の量だけでなく、頭と首の角度によっても変わるからです。

顎の下から首の前面へ続く部分には、「頸オトガイ角」と呼ばれる境目があります。簡単に言えば、横顔を見たときの「顎下と首の境目」です。

この角度がはっきりしていると、顎下から首へ向かうラインがすっきりして見えます。反対に、頭や首の位置によって角度が広がると、顎下と首の境目がぼやけ、二重あごのように見えやすくなります。

美容外科領域の研究でも、頭の傾きによって顎下の脂肪や皮膚のたるみの見え方が変化し、首と顎の角度の印象が変わることが指摘されています。つまり、写真に写った二重あごが、そのまま脂肪の量を表しているとは限りません。

ストレートネックで二重あごが目立つ仕組み

一般に「ストレートネック」と呼ばれる状態では、首のカーブだけでなく、頭が身体より前へ移動していることが多くあります。

二重あごの見え方を考えるうえで重要なのは、レントゲン上の首のカーブだけではなく、横から見たときに頭が胸郭より前へ出ているかどうかです。

頭が身体より前へ移動する

頭が前へ出ると、そのままでは視線が床へ向いてしまいます。

しかし、私たちはスマートフォンやパソコンを操作するときも、歩いているときも、基本的には正面を見ようとします。

そこで身体は、前を見るために首の上側を反らし、顎を前上方へ向けます。

横から見ると、首の付け根は前へ倒れているのに、顔だけが正面を向いている姿勢です。

このとき、顎先は上がっていても、頭全体は身体より前にあります。顎下から首へ続くラインは自然な位置を保てず、顎と首の境目が鈍く見えやすくなります。

顎下の組織が重なって見える

頭が前へ出た姿勢では、顎下の皮膚、脂肪、筋肉などの軟部組織が、本来とは異なる角度で重なります。

特に、正面を向こうとして顎だけが上がっている人は、顎先は前に出ている一方で、首の前面には十分な長さがありません。

その結果、顎下が前へ押し出されたように見えたり、顎下と首の境界に影ができたりして、二重あごが目立ちます。

脂肪そのものが急に増えたわけではなくても、頭と首の位置によって「脂肪が多いように見える」ことがあるのです。

背中が丸いままでは頭を後ろへ戻せない

ストレートネックを首だけの問題として考えると、二重あごが目立つ本当の理由を見落としてしまいます。

頭の下には首があり、その下には胸椎と肋骨でつくられた胸郭があります。

胸椎は首と腰の間にある背骨です。デスクワークやスマートフォンを見る姿勢が続き、胸椎が丸まったまま動きにくくなると、その上にある頭も前へ押し出されます。

頭だけを後ろへ戻そうとしても、土台となる胸郭が後ろへ倒れていたり、背中が丸まっていたりすれば、頭を自然に支えられません。

前方頭位、肩が前へ入った姿勢、胸椎の丸まりは、互いに関連して現れることが研究でも報告されています。すべての人に同じ組み合わせが起こるわけではありませんが、二重あごと一緒に猫背や巻き肩が気になる人は、顔より先に胸郭の位置を確認する必要があります。

顔のマッサージだけでは二重あごが戻りやすい理由

顔や顎下のマッサージによって、一時的にむくみが減り、顎下がすっきり見えることはあります。

しかし、頭が身体より前へ出たままでは、立つ、座る、歩く、スマートフォンを見るといった日常動作のたびに、顎下と首の位置関係は元へ戻ります。

マッサージが意味のない対策なのではありません。

問題は、顔だけを触り、顎下が目立つ姿勢を変えていないことです。

これは、傾いた土台の上に置いたものを、上から押してまっすぐに見せようとしている状態に似ています。手を離せば、また同じ方向へ傾きます。

顎下の見え方を変えたいのであれば、顔だけでなく、頭を支えている首、胸郭、肩甲骨の位置まで整える必要があります。

顎を強く引くと、二重あごが目立つことがある

ストレートネックを改善しようとして、顎を力いっぱい後ろへ引いていませんか。

顎を引く動作そのものが悪いわけではありません。しかし、背中が丸く、頭が前へ出たまま顎だけを引くと、顎下の皮膚や軟部組織が首の前面へ寄ります。

鏡では頭が後ろへ戻ったように感じても、実際には首を曲げ、顎下を押しつぶしているだけになっていることがあります。

首を曲げた姿勢では、顎下の脂肪や皮膚のたるみが強調され、顎と首の境目がぼやけて見えることも報告されています。

必要なのは、顎を喉へ押し込むことではありません。

胸郭が自然に起き、その上へ頭が戻った結果として、顎の位置が整うことです。

正しく整った姿勢では、顎を強く引き続ける必要はありません。首や肩に力を入れなくても、頭が背骨の上に乗り、目線を正面へ向けられる状態を目指します。

二重あごを見直すなら首・胸椎・肋骨を確認する

姿勢が関係する二重あごを見直すときは、顎下だけでなく、次の部分を確認します。

胸椎が自然に伸びるか

背中が丸いまま固まっていると、頭は前へ押し出されます。

ただし、胸を力いっぱい張ればよいわけではありません。胸を張りすぎて肋骨を前へ突き出すと、腰が反り、別の場所で姿勢を代償することになります。

必要なのは、背中を反らし続けることではなく、丸まるだけでなく自然に伸びられる胸椎の動きです。

肋骨が呼吸に合わせて動くか

肋骨が前へ開いたまま、または下へつぶれたままでは、胸郭の上に頭を安定させにくくなります。

息を吸うと胸や背中が広がり、息を吐くと肋骨が自然に閉じる。この呼吸の動きがあることで、首や肩に力を入れずに上半身を支えやすくなります。

肩甲骨を無理に寄せていないか

巻き肩を直そうとして肩甲骨を強く寄せても、胸郭が丸いままでは、肩や首に力が入るだけです。

肩甲骨は胸郭の上を滑る骨です。まず胸郭の位置と動きを整え、そのうえで腕や肩甲骨を動かせる状態をつくる必要があります。

頭を動かしたときに首だけで頑張っていないか

上を向く、横を向く、顎を引くといった動作で、首の付け根が詰まったり、肩が持ち上がったりする人は、首だけで頭を動かしている可能性があります。

頭の位置を整えるには、首の筋肉を鍛えるだけではなく、胸椎や肩甲骨と連動して動けることが重要です。

運動によって前方頭位、肩の前方化、胸椎の過度な丸まりが改善する傾向は、システマティックレビューとメタ解析でも示されています。ただし、一つの運動を全員が同じように行うのではなく、その人がどこで動きを代償しているかを確認する必要があります。

横顔の写真で確認したい4つのポイント

二重あごにストレートネックが関係しているかは、横から撮った写真で確認しやすくなります。

普段どおりに立ち、顎を意識的に引いたり、胸を張ったりせずに撮影してください。

確認するポイントは次の4つです。

・耳が肩より大きく前に出ている
・顎が前上方を向いている
・首と肩の境目が分かりにくい
・背中が丸まり、肩が前へ入っている

これらが複数当てはまり、顎を強く引くと二重あごがさらに目立つ場合は、顎下だけではなく頭と胸郭の位置を見直す必要があります。

ただし、写真を撮る角度やカメラの高さによっても見え方は変わります。変化を比較するときは、同じ場所、同じカメラの高さ、同じ距離で撮影しましょう。

日常生活で見直したいこと

まずは、スマートフォンやパソコンを見るときに、頭だけを画面へ近づけていないか確認してください。

画面が低いと、時間がたつにつれて胸椎が丸まり、頭が前へ出やすくなります。画面の位置を上げ、背もたれや机との距離を調整し、頭を前へ運ばなくても見える環境をつくりましょう。

座っているときは、胸を張るのではなく、骨盤の上に肋骨が乗る位置を探します。

一度ゆっくり息を吐き、肋骨の前側を下げ、首と肩の力を抜きます。その状態から、顎を押し込まずに頭頂部が上へ伸びるように座ってみてください。

大切なのは、良い姿勢を力で固定することではありません。

呼吸を止めず、首や肩に余計な力を入れなくても保てる位置を探すことです。

姿勢だけでは変わらない二重あごもある

姿勢を整えることで変わるのは、主に顎下と首の「見え方」です。

顎下の脂肪量、皮膚のたるみ、加齢による組織の変化、顎の骨格そのものが、姿勢だけでなくなるわけではありません。

頭の位置を変えても顎下の厚みがほとんど変わらない場合は、姿勢以外の要因が大きいと考えられます。

また、顎下や首に明確なしこりがある、左右差が急に現れた、腫れが続いている、飲み込みにくい、呼吸しにくいといった症状がある場合は、姿勢の問題と自己判断せず、医療機関へ相談してください。首のしこりが大きくなる、硬く動かない、2週間以上続く場合や、飲み込みにくさがある場合も受診が必要です。

二重あごが気になる人ほど全身の姿勢を確認する

体重が変わっていないのに二重あごが目立つ場合、顎下だけを見ていても、変化しにくいことがあります。

頭が前へ出ている人は、首だけでなく、胸椎の丸まり、肋骨の位置、肩甲骨の動き、呼吸の仕方まで変わっていることが少なくありません。

顎を強く引くのではなく、頭が胸郭の上へ自然に戻れる身体をつくること。

これが、姿勢によって目立っている二重あごを見直すための重要な考え方です。

Healthcare Studio ileでは、静止した姿勢の写真だけで判断するのではなく、呼吸、首の動き、腕の上げ方、背骨の動きなども確認します。

同じ二重あごに見えても、胸椎が動きにくい人、肋骨が前へ開いている人、肩や首に力が入り続けている人では、必要な運動が異なるからです。

顔まわりのケアを続けても変化を感じられない場合は、一度、横顔だけでなく全身の動きを確認してみてください。

顎下だけを整えようとするよりも、自分の頭がなぜ前へ出ているのかを知ることが、すっきりとした首元を目指すための近道になります。

参考文献

1.Singla D, Veqar Z. Association Between Forward Head, Rounded Shoulders, and Increased Thoracic Kyphosis: A Review of the Literature. Journal of Chiropractic Medicine. 2017;16(3):220-229.

2.Sepehri S, et al. The effect of various therapeutic exercises on forward head posture, rounded shoulder, and hyperkyphosis among people with upper crossed syndrome: a systematic review and meta-analysis. BMC Musculoskeletal Disorders. 2024;25:105.

3.Vaca EE, et al. The Influence of Sagittal Head Tilt on Periorbital Appearance: Implications for Clinical Photography and the Evaluation of Postoperative Results. Aesthetic Surgery Journal Open Forum. 2021;4:ojab043.

4.Haddad RV, et al. Chin-throat anatomy: Normal relations and changes following orthognathic surgery and growth modification. The Angle Orthodontist. 2017;87(5):696-702.

5.NHS. Lumps. 最終レビュー:2024年2月5日.

6.NHS. Dysphagia(swallowing problems). 最終レビュー:2023年5月2日.

著者・監修者プロフィール

著者・監修者:水野豪司

理学療法士/Healthcare Studio ile代表

名古屋市栄・矢場町エリアで、姿勢の悩みや肩こり、腰痛などの身体の不調に対するマンツーマンのピラティス・トレーニングを提供しています。

姿勢の見た目や痛みがある場所だけで原因を判断せず、呼吸、胸郭、骨盤、足部などを含めた全身の動作を確認することを大切にしています。一人ひとり異なる身体の使い方を評価し、ピラティスやトレーニングを手段として、その場しのぎではない身体づくりをサポートしています。

contact

ヘルスケアスタジオ イレ

〒460-0008
愛知県名古屋市中区栄3-25-17 CHIPTOWER 3F.4F

ACCESS
栄駅から徒歩9分
矢場町駅から徒歩5分
PHONE
050-1809-0711
OPEN
9:00 - 21:30