「肩が凝ったら、とりあえず揉む」
「マッサージを受けると楽になるけど、すぐ戻る」
肩こりに悩む多くの方が、同じ経験をしています。
それもそのはずで、
肩こりの本当の原因は“凝っている場所”にないことがほとんどだからです。
この記事では、
- なぜ肩を揉んでも治らないのか
- 僧帽筋に対する大きな誤解
- 猫背と肩こりが同時に起こる仕組み
を、理学療法士の視点からわかりやすく解説します。
CONTENTS
肩を揉んでも肩こりが治らないのはなぜ?
その場は楽になるのに、すぐ戻ってしまう理由
肩を揉むと、一時的に血流が良くなり、
「軽くなった」「楽になった」と感じます。
しかし数時間〜数日で、また元通り。
これは、
原因が解決されていないまま、結果だけをケアしている状態だからです。
「凝っている=原因」という勘違い
多くの人は、
- 硬い=悪い
- 凝っている=そこが原因
と思いがちです。
でも実際は、
凝っている筋肉は“頑張らされ続けている被害者”であることがほとんどです。
多くの人が誤解している「僧帽筋=悪者」説
僧帽筋は本来、悪い筋肉ではない
僧帽筋は、
- 肩甲骨を支える
- 腕の動きを安定させる
- 姿勢保持を補助する
とても重要な筋肉です。
本来は「必要な時に働き、休む時は休める」筋肉です。
問題は「使いすぎ」ではなく「使わされ続けている」こと
肩こりの人の僧帽筋は、
- 常に緊張している
- 休めない
- 他の筋肉の代わりに働き続けている
状態になっています。
つまり、
僧帽筋が悪いのではなく、僧帽筋に頼らざるを得ない姿勢と体の使い方が問題なのです。
猫背になると僧帽筋に何が起こるのか
頭が前に出ることで首と肩にかかる負担
猫背姿勢では、
- 頭が身体の中心より前に出る
- 首と肩で頭を支える
- 重さが常に前方向にかかる
この状態が続きます。
人の頭は体重の約10%。
前に出れば出るほど、首・肩にかかる負担は増えます。
僧帽筋が“支え役”に固定されてしまう仕組み
本来、頭や腕の重さは、
- 体幹
- 背骨
- 肩甲骨周り
で分散して支えます。
しかし猫背ではその仕組みが崩れ、
僧帽筋が「ずっと支える役」に固定されてしまいます。
これが、
何もしていなくても肩が重い・だるい状態の正体です。
肩甲骨が動かないと、肩こりは必ず続く
猫背で起こる肩甲骨の固定化
猫背になると、
- 肩甲骨が外に開く
- 前に傾く
- 背中に貼り付いたように動かなくなる
この状態では、肩周りの筋肉が協調して働けません。
本来あるはずの「動き」が失われる影響
肩甲骨は「浮いて動く骨」です。
動くことで、肩や首の負担を逃がしています。
動かなくなると、
- 僧帽筋に負担が集中
- 肩こりが慢性化
- 動かすほどつらい
という悪循環が起こります。
肩こりの正体は「揉む場所」ではなく「姿勢と動き」
肩だけをケアしても根本改善しない理由
肩こりの原因は、
- 頭の位置
- 背骨のカーブ
- 肩甲骨の動き
- 体幹の安定性
と全身に関係しています。
肩だけを揉んでも、
姿勢と動きが変わらなければ必ず再発します。
首・背中・体幹とのつながりを無視してはいけない
肩こりは「肩の問題」に見えて、
実際は「体の使い方の結果」です。
だからこそ、
- 猫背を整える
- 動きのクセを変える
ことが必要になります。
なぜストレッチやマッサージだけでは限界があるのか
一時的に緩めても、姿勢が戻れば再発する
ストレッチやマッサージは、
- 緊張を一時的に取る
- 血流を良くする
という意味では有効です。
ただし、
姿勢が変わらなければ
→ すぐ同じ負担がかかる
→ また凝る
を繰り返します。
猫背が変わらなければ、僧帽筋は休めない
僧帽筋が休めるのは、
- 肩甲骨が安定し
- 頭が正しい位置に戻り
- 体幹で支えられる
ようになった時です。
つまり、
姿勢改善なしに肩こり改善は成立しません。
肩こりを根本から変えるために必要な3つの視点
① 頭と首の位置を整える
頭が体の中心に戻るだけで、
首・肩の負担は大きく減ります。
② 肩甲骨が自然に動く状態を取り戻す
「寄せる」「下げる」ではなく、
動ける肩甲骨を取り戻すことが重要です。
③ 僧帽筋に頼らない体の使い方を覚える
体幹・背骨・呼吸が使えるようになると、
僧帽筋は自然に休めるようになります。
「肩を揉まなくても楽な肩」を作るために
姿勢が変わると、肩こりの感じ方が変わる
多くの方が、
- 「揉まなくても平気になった」
- 「気づいたら肩が楽」
と感じるようになります。
これは筋肉を鍛えたからではなく、
負担のかかり方が変わった結果です。
頑張って我慢する姿勢はもう必要ない
良い姿勢は、
- 気合で作るもの
- 我慢するもの
ではありません。
自然に保てる体の状態を作ることが、
肩こり改善の近道です。
まとめ|肩こりは「僧帽筋」ではなく「姿勢の問題」
- 僧帽筋は悪者ではない
- 猫背によって働かされ続けているだけ
- 肩こりの本当の原因は姿勢と動き
肩を揉んでも治らなかった理由が分かれば、
これからやるべきことも自然と見えてきます。
肩こりに悩んでいる方こそ、
一度「猫背」という視点から体を見直してみてください。
