ピラティス&パーソナルトレーニング イレ

姿勢・痛みを整える|名古屋栄の完全マンツーマンピラティス&パーソナルトレーニング【イレ】

column

コラム

2025.10.07

なぜ猫背は治らないのか?|理学療法士が現場で必ず見る6つの共通点

「ストレッチをしているのに、すぐ猫背に戻る」

「姿勢を意識しても長く続かない」

「整体やマッサージでは変わらなかった」

そんな“猫背が治らない人”には、

いくつか共通する身体の特徴があります。

猫背は、単に背中が丸い状態ではありません。

実際の臨床では、筋肉・関節・感覚の問題が重なって起きているケースがほとんどです。

この記事では、理学療法士の視点から

猫背が治らない人に共通する本当の原因と、

根本改善の考え方をわかりやすく解説します。


猫背が治らないのは「意識」や「努力」が足りないからではない

まず大前提としてお伝えしたいのは、

猫背は“気をつければ治る姿勢”ではないということ。

姿勢は、

  • 感覚
  • 筋肉
  • バランス

これらが無意識に統合された結果として作られています。

つまり、

体が「その姿勢が一番ラクで安全」だと判断している状態が、猫背なのです。


猫背が治らない人①|小胸筋が硬く、肩甲骨が前傾している

臨床で猫背の方を評価すると、

ほぼ例外なく小胸筋の強い短縮が見られます。

小胸筋が硬くなると、

  • 肩甲骨が前傾する
  • 肩甲骨が肋骨に貼りつく
  • 胸が閉じる

という状態になり、

肩甲骨を後傾させること自体ができなくなります

この状態では、

  • 背筋を伸ばそうとしても
  • 胸を張ろうとしても

肩甲骨が物理的に動かないため、

猫背の改善はほぼ不可能です。


猫背が治らない人②|僧帽筋下部繊維が使えない

小胸筋の硬さとセットで多いのが、

僧帽筋下部繊維の機能低下です。

僧帽筋下部は、

  • 肩甲骨を後傾・下制
  • 良い姿勢を「保持」する

ために欠かせない筋肉。

ここが使えないと、

  • 一瞬姿勢を正せても
  • すぐ戻る
  • 首や肩に力が入る

という状態になります。

猫背が治らない人ほど、

「良い姿勢を保つ筋肉」が存在していないのです。


猫背が治らない人③|腹部の安定性が低く、前鋸筋が働かない

肩甲骨の安定は、

実は肩周りだけの問題ではありません。

重要なのが、

  • 腹部の安定性
  • 前鋸筋の機能

です。

腹部(特に腹横筋)が不安定になると、

前鋸筋がうまく働かず、肩甲骨は宙に浮いた状態になります。

その結果、

  • 肩が前に流れる
  • 背中が丸まる
  • 上半身が不安定になる

つまり、

体幹が不安定 → 肩甲骨が不安定 → 猫背が固定化

という流れが起こります。


猫背が治らない人④|脊柱が圧縮され、身体イメージが崩れている

筋肉や関節を整えても改善しないケースで、

次に重要になるのが身体イメージです。

猫背が強い人ほど、

  • 背骨が潰れた感覚
  • 身長が低くなったような感覚
  • 伸び上がる感覚(エロンゲーション)が分からない

という特徴があります。

これは、

「良い姿勢の自分」を脳がイメージできていない状態

です。

姿勢は、

「どこまでが自分の体か」を脳が把握していないと整いません。

そのため、

  • 背骨を長くする感覚
  • 頭が上に引き上がる感覚

を再学習しない限り、

姿勢は無意識レベルで元に戻ってしまいます。


猫背が治らない人⑤|眼球運動がうまく使えていない

意外に見落とされがちですが、

眼球運動と姿勢は密接に関係しています。

目線を動かす力が低下すると、

  • 頭ごと動かして視線を合わせる
  • 頭が前に突き出る
  • 首・肩が緊張する

という代償が起こります。

結果として、

「見るために頭を前に出す姿勢」=猫背

が強化されてしまうのです。


猫背が治らない人⑥|前庭機能(バランス感覚)が低下している

さらに重要なのが、前庭機能です。

前庭機能とは、

  • 頭の傾き
  • 加速・減速
  • バランス

を感知する、姿勢制御の中枢的な感覚。

ここが低下すると、体は不安定さを感じ、

  • 重心を下げる
  • 動きを小さくする
  • 視界を固定する

という反応を取ります。

その結果、

  • 背中が丸まる
  • 頭が前に出る
  • 肩がすくむ

つまり猫背は、

バランスを失った体が選んだ「最も安全な姿勢」

でもあるのです。

では、猫背を根本から整えるには何が必要なのでしょうか。

実は、猫背改善には「姿勢を意識する」だけでは不十分で、
骨盤・背骨・呼吸・体幹を正しい順番で整えることが重要です。

▶ 猫背を根本から整えるために必要な考え方と具体的なアプローチは(猫背の原因と正しい改善方法)


猫背改善に必要なのは「部分」ではなく「統合」

ここまでを整理すると、

猫背が治らない人には次の共通点があります。

  • 小胸筋が硬い
  • 僧帽筋下部が使えない
  • 腹部・前鋸筋が不安定
  • 身体イメージが崩れている
  • 眼球運動が弱い
  • 前庭機能が低下している

これらはすべて連動しています。

だからこそ、

  • 背中だけ
  • 肩だけ
  • ストレッチだけ

では改善しません。


ピラティスが猫背改善に向いている理由

ピラティスでは、

  • 肩甲骨
  • 体幹
  • 呼吸
  • バランス
  • 感覚入力

を同時に再教育できます。

特にマシンピラティスは、

  • 肩甲骨を正しい位置へガイド
  • 不安定すぎない前庭刺激
  • 安全な姿勢での再学習

が可能なため、

猫背が長年治らなかった人ほど変化が出やすいのが特徴です。


まとめ|猫背は「感覚と動き」を整えることで初めて変わる

猫背が治らないのは、あなたの努力が足りないからではありません。

体の使い方や整える順番を、まだ知らなかっただけです。

もし、

・自分の猫背タイプを知りたい

・どこから整えればいいか分からない

・姿勢を本気で変えたい

そう感じた方は、

こちらの記事も参考にしてみてください。

猫背を根本から整えるピラティス|理学療法士監修の改善アプローチ

contact

ヘルスケアスタジオ イレ

〒460-0008
愛知県名古屋市中区栄3-25-17 CHIPTOWER 3F.4F

ACCESS
栄駅から徒歩9分
矢場町駅から徒歩5分
PHONE
050-1809-0711
OPEN
9:00 - 21:30