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側弯症とは?まず知っておきたい基本的な考え方
側弯症というと、
「背骨が曲がっている状態」
というイメージを持たれる方が多いかもしれません。
ですが、実際の側弯症は単に横に曲がっているだけではありません。
多くの場合、
・左右へのカーブ
・背骨のねじれ(回旋)
が同時に起こっています。
さらに重要なのは、
画像で曲がっている=必ず痛みが出る
というわけではない、という点です。
レントゲンでは側弯があっても症状がほとんどない方もいれば、
角度が軽度でも強い不調を感じている方もいます。
つまり、側弯症のつらさは
「曲がりの大きさ」だけで決まるものではありません。
なぜ側弯症はストレッチだけでは改善しないのか
側弯症でよく行われるセルフケアがストレッチです。
実際、ストレッチをすると
・一時的に楽になる
・動きやすく感じる
という変化を感じる方は多いと思います。
ただし、
しばらくすると元に戻ってしまう
という経験はありませんか?
その理由はシンプルで、
ストレッチだけでは「体の使い方」が変わらないからです。
側弯症の身体では、
・伸びている筋肉
・縮んでいる筋肉
・本来働くべきなのに使われていない筋肉
が混在しています。
不安定な状態のまま伸ばすだけでは、
体はまた元の使い方に戻ろうとします。
これが
「ストレッチを続けているのに改善しない」
大きな理由です。
側弯症が改善しにくい人に共通する身体の特徴
左右差のある体の使い方が無意識に定着している
側弯症の方は、
立つ・歩く・座るといった日常動作の中で、
左右どちらかに頼った体の使い方が無意識に定着しています。
本人に自覚がないことがほとんどですが、
これが背骨への偏った負担につながります。
体幹・股関節・肩甲帯の安定性が低下している
背骨を安定させる役割を持つのは、
背骨そのものではなく周囲の筋肉です。
特に
・体幹
・股関節
・肩甲帯
これらの安定性が低下すると、
背骨が代わりに頑張らされてしまいます。
結果として、
特定の部分にストレスが集中しやすくなります。
身体感覚が乏しくなっている
側弯症の方は、
「どこに体重が乗っているか」
「今どこが動いているか」
といった身体感覚が低下しているケースが多く見られます。
感覚が乏しいと、
正しい動きやバランスを無意識に選ぶことができません。
理学療法士の視点で考える「側弯症の本当の原因」
側弯症の本質的な問題は、
背骨の形そのものではなく、
力のかかり方にあります。
体の一部に
繰り返し同じ方向・同じ強さのストレスがかかることを
メカニカルストレスといいます。
側弯症では、
このメカニカルストレスが
常に同じ場所に集中しやすい状態になっています。
その結果、
痛みや張り、不調が慢性化していくのです。
側弯症の改善に必要な3つのステップ
① 自分の身体の左右差・クセに気づく
まず必要なのは、
「今、自分の体がどう使われているか」を知ることです。
ここを飛ばしてしまうと、
どんな運動をしても効果は限定的になります。
② 安定させるべき筋肉を正しく使えるようにする
側弯症の改善には、
ただ動かすのではなく
安定させるべき場所を安定させることが重要です。
これにより、
背骨にかかる負担が自然と分散されていきます。
③ 日常生活の動きで再学習する
レッスン中だけ良くなっても、
日常生活で元の動きに戻れば意味がありません。
歩く・立つ・座るといった動作の中で
新しい体の使い方を再学習することが、
改善の鍵になります。
なぜピラティスが側弯症の改善に相性がいいのか
ピラティスは
・動きの質を細かく修正できる
・感覚入力を増やせる
・安定性と柔軟性を同時に高められる
という特徴があります。
側弯症のように
「人によって違いが大きい状態」には、
画一的な運動よりも
個別に調整できるアプローチが向いています。
大人の側弯症は「真っ直ぐにする」必要はない
大人の側弯症で大切なのは、
背骨を無理に真っ直ぐにすることではありません。
目指すべきなのは、
・痛みや不調が出にくい
・負担が集中しない
体の使い方です。
正しい使い方を覚えることで、
手術をせずに快適に生活できるケースも多くあります。
こんな症状がある場合は医療機関への相談を
・しびれや筋力低下が強い
・症状が急激に悪化している
・若年で側弯の進行が大きい
こうした場合は、
早めに医療機関での評価を受けることが大切です。
まとめ|側弯症は「正しい体の使い方」を学ぶことで変えられる
側弯症は、
ストレッチだけで改善するほど単純ではありません。
ですが、
・正しい評価
・適切な順番
・体の使い方の再学習
を行うことで、
不調が軽減していく可能性は十分にあります。
「いろいろ試したけど変わらなかった」
そう感じている方ほど、
まずは自分の体を知るところから始めてみてください。
無理に治そうとしなくても大丈夫です。
体は、正しい方向に導いてあげれば、少しずつ応えてくれます。
