腰痛というと、
「筋肉が弱いから?」「年齢のせい?」
と一つの原因を探したくなりがちですが、実際はそう単純ではありません。
多くの場合、腰痛は
いくつかの要因が重なって起こっています。
この記事では、理学療法士の視点から
腰痛の原因を 6つの代表的な要因 に整理して解説します。
CONTENTS
腰痛の原因①|筋肉の緊張・使いすぎ
最も多い原因のひとつが、
腰まわりの筋肉の緊張や疲労の蓄積です。
- 長時間のデスクワーク
- 同じ姿勢が続く仕事
- 運動不足、または急な運動
これらが続くと、
腰や背中の筋肉が常に緊張した状態になり、
血流が悪くなって痛みを感じやすくなります。
いわゆる「ぎっくり腰」も、
この筋肉由来のトラブルが背景にあることが多いです。
腰痛の原因②|姿勢や体の使い方のクセ
腰痛の多くは、
日常の姿勢や動き方のクセと深く関係しています。
- 猫背
- 反り腰
- 片側に体重をかける立ち方
- 腰だけで動くクセ
これらが続くと、
本来分散されるはずの負担が腰に集中し、
慢性的な痛みにつながります。
👉 「筋力不足」というより
体の使い方がうまくいっていないケースがとても多いのが特徴です。
腰痛の原因③|体幹・股関節の不安定さ
腰は本来、
体幹や股関節に守られる存在です。
しかし、
- お腹の力がうまく使えない
- 股関節が硬い、または動きが悪い
といった状態では、
動作のたびに腰が代わりに頑張ることになります。
結果として、
- 立つ
- 歩く
- かがむ
といった日常動作だけでも、
腰に負担がかかり続けてしまいます。
腰痛の原因④|椎間板や関節への負担(構造的要因)
腰痛の中には、
背骨の構造に関わる問題が関係しているケースもあります。
代表的なものは、
- 椎間板ヘルニア
- 脊柱管狭窄症
- 関節の変性
などです。
ただし重要なのは、
画像上の異常=必ず痛みが出る、ではないという点。
構造的な問題があっても、
- 動き方
- 姿勢
- 日常の負担
によって、症状の出方は大きく変わります。
👉 ヘルニアについては
【椎間板ヘルニアでも運動していい?】の記事で詳しく解説しています。
腰痛の原因⑤|生活習慣・身体的ストレス
日常生活そのものが、
腰に負担をかけていることも少なくありません。
- 睡眠不足
- 運動量の極端な少なさ
- 重い荷物を扱う仕事
- 育児や家事による負担
こうした生活背景が積み重なると、
腰は回復する時間を失い、痛みが慢性化しやすくなります。
腰痛の原因⑥|ストレス・自律神経の影響
見落とされがちですが、
精神的ストレスと腰痛は深く関係しています。
ストレスが続くと、
- 自律神経が乱れる
- 筋肉が無意識に緊張する
- 痛みを感じやすくなる
といった状態が起こります。
「検査では異常がないのに痛い」
という腰痛では、この要因が関係していることもあります。
腰痛は「一つの原因」で考えないことが大切
ここまで見てきたように、
腰痛は どれか一つが原因 というより、
- 姿勢
- 動き方
- 筋肉の状態
- 生活習慣
- ストレス
が 重なって起こるケースがほとんどです。
だからこそ、
- 痛い場所だけを見る
- 一時的な対処だけする
のではなく、
体全体をどう使っているかを見直すことが重要になります。
まとめ|原因を知ることが、腰痛改善の第一歩
腰痛改善の第一歩は、
「自分の腰痛がどのタイプか」を知ることです。
原因が分かれば、
- やっていい運動
- 避けた方がいい動き
- 適切なケア方法
も自然と見えてきます。
👉 腰痛がある状態で運動を始める前の注意点は
【腰痛がある人がピラティスを始める前の注意点】で解説しています。
著者情報・監修
水野豪司(理学療法士 / ピラティスインストラクター)
名古屋・栄「ヘルスケアスタジオ イレ」運営
1,000名以上の姿勢・腰痛指導経験
✅ この記事は理学療法士が監修しています
