「姿勢を意識しているのに猫背が治らない」
「ストレッチを続けても、すぐ元に戻ってしまう」
そんな悩みを抱えている方は少なくありません。
結論から言うと、
猫背は“意識”や“ストレッチだけ”では根本改善しません。
猫背は単なる姿勢の問題ではなく、
体の使い方・呼吸・筋肉の働き方が積み重なって起こる状態だからです。
この記事では、
理学療法士の視点から
- 猫背が起こる本当の原因
- なぜストレッチだけでは改善しにくいのか
- 猫背を根本から整えるために必要な考え方
を、できるだけ分かりやすく解説します。
CONTENTS
猫背とは?多くの人が勘違いしている本当の姿
猫背というと、
- 背中が丸い
- 肩が前に出ている
- 首が前に突き出ている
といった「見た目」をイメージしがちです。
しかし、猫背の本質は
背骨の形そのものではありません。
本当の問題は、
- 骨盤・背骨・肋骨の位置関係
- それらを支える筋肉の使われ方
- 日常動作での無意識のクセ
が崩れていることにあります。
つまり猫背は
「姿勢が悪い」状態ではなく、「姿勢を保てない体」
とも言えるのです。
なお、猫背・反り腰・巻き肩はそれぞれ別の悩みに見えて、
理学療法士の視点では同じ「姿勢の崩れ」から起こるケースがほとんどです。
まず姿勢全体の仕組みから理解したい方は、こちらで
原因・タイプ・正しい整え方を総まとめしています。
猫背の本当の原因|なぜ意識しても治らないのか?

長時間のデスクワーク・スマホ姿勢
現代人の生活は、
パソコン・スマホを見る時間が圧倒的に長くなっています。
この姿勢が続くと、
- 頭が前に出る
- 肩が内側に巻き込まれる
- 胸郭(肋骨)が潰れる
という状態が「普通」になります。
一時的に背筋を伸ばしても、
体はすぐ元の楽な位置に戻ろうとします。
呼吸の浅さと胸郭の硬さ
猫背の人に非常に多いのが
呼吸が浅い状態です。
胸郭が固まり、肋骨が動かなくなると、
- 肩や首で呼吸する
- 僧帽筋・首周りが常に緊張する
- 姿勢を支える力が低下する
という悪循環が起こります。
インナーマッスルの機能低下
姿勢を支えているのは、
いわゆる「腹筋」や「背筋」ではありません。
重要なのは、
- 腹横筋
- 多裂筋
- 横隔膜
- 骨盤底筋
といったインナーマッスルです。
これらがうまく働かないと、
体は外側の筋肉で無理に姿勢を保とうとし、
結果として猫背が定着します。
無意識の動きのクセ
- 立つときに腰を反る
- 座るとすぐ背中が丸まる
- 歩くときに頭が前に出る
こうしたクセは、本人が気づかないまま積み重なっています。
猫背は「姿勢」ではなく動き方のクセの結果なのです。
実際の現場では、猫背がなかなか改善しない方にはいくつかの“共通点”があります。
筋肉だけでなく、
・肩甲骨の使い方
・体幹の安定性
・姿勢のイメージ
・感覚機能(目・バランス)
まで関係しているケースも少なくありません。
▶ なぜ猫背は治らないのか?理学療法士が現場で必ず見る6つの共通点
猫背を放置すると起こりやすい不調

猫背が続くと、見た目だけでなく
さまざまな不調につながりやすくなります。
- 慢性的な肩こり・首こり
- 呼吸が浅く疲れやすい
- 自律神経の乱れ
- 腰や背中の張り
- ぽっこりお腹・老け見え
特に肩こりや首の不調は、猫背を整えることで軽減するケースが非常に多いです。
特に猫背による呼吸機能の低下や自律神経の乱れは、睡眠や集中力の質にも影響を与えると言われています。(Zafar, H. et al. (2018))
肩こりに悩む方の多くが、猫背を整えることで肩こり解消につながったと実感されています。
猫背の改善方法は何が正解?|整体・ストレッチ・運動の違い

ストレッチだけでは戻りやすい理由
ストレッチは、
- 硬くなった筋肉を一時的に緩める
という点では有効です。
しかし、
- 姿勢を支える筋肉
- 正しい動き方
が変わらなければ、
体はすぐ元の猫背姿勢に戻ります。
整体・矯正のメリットと限界
整体や矯正は、
- 関節の可動域を広げる
- 姿勢の「きっかけ」を作る
という意味では有効です。
ただし、
自分で姿勢を保つ力がつかなければ再発しやすい
という側面もあります。
運動(ピラティス)が必要になる理由
猫背を根本から整えるためには、
- 正しい位置を「知る」
- その位置で「動ける」
- 日常でも「保てる」
この3つが必要です。
そのために必要なのが
運動による再学習です。
姿勢改善に必要な3つの視点については、こちらの記事でも詳しく紹介しています:
特に猫背が改善しにくい方ほど、
「肩甲骨が安定しない」「体幹が抜ける」
といった問題を同時に抱えています。
こうした背景を、臨床視点から詳しく解説した記事があります。▶ 猫背が治らない人に共通する“身体の使い方”とは?
なぜピラティスが猫背の根本改善につながるのか【科学的視点】

骨盤・背骨のアライメントが整う
ピラティスでは、骨盤・背骨・肋骨の位置関係を意識しながら動きます。
研究でも、ピラティスが脊柱アライメントの改善に有効であることが報告されています。→ Liらの研究(2024)
インナーマッスルを正しく使える
ピラティスは、
- 腹横筋
- 多裂筋
- 横隔膜
といった姿勢に不可欠な筋肉を
過剰な負担なく活性化できます。
「力を入れる」のではなく
「正しく使う」感覚を身につけられるのが特徴です。
→ Kloubec(2010)によると、ピラティスは筋持久力と柔軟性の両方を向上させると報告されています。
動き方を再学習できる
猫背改善で最も重要なのは
日常に戻ったときに崩れにくいこと。
ピラティスでは、
- 立つ
- 座る
- 手を上げる
- 呼吸する
といった動作そのものを整えていきます。
これが、
「その場しのぎ」で終わらない理由です。
猫背改善でよくある不安・疑問

体が硬くても大丈夫?
問題ありません。
むしろ体が硬い方ほど、正しい順序で整えることが重要です。
運動経験がなくてもできる?
できます。
小さな動きから始めるため、運動が苦手な方にも向いています。
どれくらいで変化を感じる?
個人差はありますが、
早い方では数回で「呼吸が楽」「肩が軽い」と感じることもあります。
年齢が高くても効果はある?
年齢に関係なく、体は適切な刺激で変化します。
「いろいろ試したけど変わらなかった」
「自分は重症かもしれない」
そう感じている方ほど、
まずは“なぜ治らなかったのか”を知ることが大切です。
▶ 猫背が改善しない人に共通する6つのポイントをチェックする
名古屋・栄で猫背を根本から整えたい方へ

名古屋・栄・矢場町エリアにある
ヘルスケアスタジオ イレでは、
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参考文献
- Li F, et al. “Effects of Pilates exercises on spine deformities and posture.” BMC Sports Sci Med Rehabil. 2024;16(1):55.
- Kloubec JA. “Pilates for improvement of muscle endurance, flexibility, balance, and posture.” J Strength Cond Res. 2010;24(3):661–667.
- Healthline. “19 Pilates Benefits Backed By Science.”
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