「プライベートピラティスとパーソナルピラティスは何が違うの?」「マンツーマンとグループなら、どちらを選べばいい?」
ピラティスを始めようとすると、レッスン形式の名前がいくつも出てきて迷う方は少なくありません。
結論からいうと、姿勢や肩こり・腰痛などの悩みがあり、自分の動き方まで見直したい方には、1対1で内容を調整できるプライベート・パーソナルピラティスが向いています。
一方、大きな身体の悩みがなく、費用を抑えながら運動習慣をつくりたい方には、グループレッスンも良い選択肢です。
大切なのは、「プライベートの方が高級だから良い」「グループだから効果が低い」と考えることではありません。
自分の身体を個別に見てもらう必要があるのかで選ぶことです。
プライベート・パーソナル・マンツーマンピラティスの違い
「プライベートピラティス」「パーソナルピラティス」「マンツーマンピラティス」は、スタジオによって呼び方が異なりますが、一般的にはインストラクターと1対1で行うレッスンを指して使われています。
ただし、「プライベート」という言葉が、完全個室という空間だけを意味している場合もあります。
そのためスタジオを選ぶときは、名称だけではなく、
- 本当に1対1なのか
- 他の利用者と同じ空間なのか、完全個室なのか
- 毎回同じプログラムなのか、身体に合わせて変更されるのか
まで確認すると違いが分かりやすくなります。
実際にピラティス業界でも、パーソナル・プライベート・マンツーマンという言葉は、1対1のレッスンを表す言葉として使われています。
プライベートとグループの一番大きな違いは「誰の身体に合わせるか」
プライベートとグループでは、使うピラティスマシンやエクササイズだけが違うわけではありません。
一番大きな違いは、レッスンを誰の身体に合わせて組み立てられるかです。
| 比較項目 | プライベート・パーソナル | グループ |
|---|---|---|
| 人数 | 基本的に1対1 | 複数人 |
| レッスン内容 | 身体や目的に合わせて調整しやすい | 共通プログラムが中心 |
| 動きの確認 | 一つひとつ確認しやすい | 一人に使える時間は限られる |
| 負荷の調整 | その場で変更しやすい | 全体の進行が優先されやすい |
| 姿勢や身体の悩み | 個別に評価できる環境を選びやすい | 詳細な評価は難しい場合がある |
| 費用 | 比較的高い | 比較的抑えやすい |
例えば同じ「脚を動かす」エクササイズでも、人によって動き方は違います。
脚を上げたときに腰を反ってしまう人もいれば、骨盤が横へ傾く人、首や肩に力が入る人もいます。
見た目では同じ運動ができていても、身体の中では別の場所が頑張っていることがあるのです。
プライベートピラティスの価値は、単にインストラクターを独占できることではありません。
こうした一人ひとり異なる動きを確認し、その人に合わせて運動を変えられることにあります。
姿勢や身体の不調がある人ほど「個別に見ること」が大切
ピラティスそのものについては、慢性腰痛の痛みや機能障害、姿勢に対する改善を報告した研究があります。
一方で、研究から「すべての人がグループよりプライベートを選べば効果が高い」とまでは言えません。
ここは分けて考える必要があります。
ただし、腰痛に対するピラティス研究を検討したレビューでは、プログラムを参加者ごとに個別化し、その人の背景に合わせて調整する重要性が指摘されています。
姿勢や身体の不調がある方にとって重要なのは、「ピラティスという運動をすること」だけではありません。
なぜ今そこへ負担がかかっているのかを確認し、その人の身体に合った動きを選ぶことです。
例えば、腰がつらいからといって、腰だけを動かせばよいとは限りません。
股関節が十分に動かず、前かがみになるたびに腰ばかり曲げている人なら、股関節の動きを見直す必要があります。
肩がこる人でも、肩だけの問題ではなく、背中や肋骨が動かず、腕を動かすたびに首や肩で代償していることがあります。
このようなタイプでは、決められたエクササイズをこなすだけでは、普段の身体の使い方まで変わらないことがあります。
グループレッスンを続けても変化を感じにくい人に起きていること
グループピラティスが悪いわけではありません。
身体に大きな悩みがなく、運動習慣をつくることが目的なら、費用を抑えながら継続しやすいメリットがあります。
一方、何か月も通っているのに「姿勢が変わった感じがしない」「腰や肩は相変わらずつらい」という場合は、運動量ではなく動き方を見直した方がよいことがあります。
例えば、
仰向けで脚を動かすと毎回腰が浮いてしまう。
スクワットをすると身体がいつも片側へ寄る。
腕を上げると肩も一緒に持ち上がる。
腹筋運動をすると首ばかり疲れる。
こうした動きのまま回数だけを増やしても、身体は今まで得意だった使い方を繰り返します。
プライベートピラティスでは、こうした細かな動きを止めながら確認し、「どこを動かしたいのか」「どこに力が入りすぎているのか」を修正しやすくなります。
プライベートピラティスが向いている人
姿勢や身体の不調を見直したい人
猫背、反り腰、肩こり、慢性的な腰の重さなどが気になっている場合は、見た目だけでなく実際の動きを確認できる環境が向いています。
姿勢を「胸を張る」「お腹に力を入れる」だけで直そうとしても、その姿勢になった原因が変わらなければ長く続きません。
自分の身体の使い方が分からない人
「お腹を使ってください」と言われても、どこに力を入れるのか分からない。
「骨盤を動かしてください」と言われても、合っているか判断できない。
そんな方は、1対1で身体の反応を確認してもらう方が理解しやすくなります。
過去に運動して痛くなった経験がある人
エクササイズそのものが悪いのではなく、可動域や負荷が今の身体に合っていなかったことも考えられます。
動きに不安がある方ほど、最初に状態を確認しながら負荷を調整できる環境が安心です。
周りのペースについていくことが不安な人
運動経験が少ない方の場合、グループでは「周りと同じように動かなければ」と焦ってしまうことがあります。
プライベートなら、自分の理解度や体力に合わせて進められます。
グループピラティスが向いている人
反対に、次のような方はグループレッスンでも十分楽しめます。
- 特に大きな姿勢や身体の悩みがない
- まず運動する習慣をつけたい
- 費用を抑えながら回数を多く通いたい
- 他の参加者と一緒に身体を動かす方が楽しい
- 基本的な動きをすでに理解している
「プライベートとグループ、どちらが上か」ではありません。
自分が何を求めているかで選ぶことが大切です。
自分にはプライベートとグループのどちらが合う?4つの確認ポイント
迷っている方は、次の4つを考えてみてください。
1つ目は、身体の悩みがはっきりしているか。
「運動不足を解消したい」だけなのか、「腰痛を繰り返している」「姿勢を何とかしたい」といった具体的な悩みがあるのかで必要なサポートは変わります。
2つ目は、自分で正しく動けている感覚があるか。
動画やグループレッスンを見ながら動いても「これで合っているのかな」と毎回迷うなら、一度マンツーマンで確認する価値があります。
3つ目は、左右差や特定の動きに苦手さがあるか。
右だけバランスを崩す、片側だけ肩が上がる、しゃがむと膝や腰が気になるなど、左右差や特定の動きに問題がある場合は個別の評価が必要です。
4つ目は、何を改善すればよいのか自分で分かっているか。
「姿勢を良くしたい」と思っていても、胸郭なのか骨盤なのか股関節なのか、実際にどこを見直すべきかを自分だけで判断するのは難しいものです。
この4つに多く当てはまるほど、プライベートピラティスとの相性は良いと考えられます。
プライベートピラティスを選ぶときは「1対1」だけで決めない
マンツーマンなら、どのスタジオでも同じというわけではありません。
特に姿勢や身体の不調を目的にする場合は、次の点を確認してみてください。
運動を始める前に身体を確認しているか
写真を撮って姿勢を見るだけではなく、立つ、しゃがむ、腕を上げる、歩くなど、実際の動きまで見てもらえるかが重要です。
なぜその運動をするのか説明してもらえるか
「このエクササイズが流行っているから」ではなく、自分の身体になぜ必要なのかを説明してもらえる方が、日常生活でも動き方を意識しやすくなります。
その日の状態に合わせて内容を変えられるか
身体は毎回同じではありません。
仕事で座る時間が長かった日、たくさん歩いた日、睡眠不足の日では、身体の状態も変わります。
決められたメニューをこなすだけではなく、その日の身体を見ながら調整できることがプライベートレッスンの大きなメリットです。
強い痛みやしびれがある場合は、ピラティスより先に医療機関へ
プライベートピラティスは身体に合わせて運動を調整できますが、医療機関での診断や治療に代わるものではありません。
安静にしていても強い痛みが続く、症状が徐々に悪化している、発熱を伴う、手足のしびれや筋力低下が進んでいる、排尿に異常があるといった場合は、運動を始める前に整形外科などの医療機関を受診してください。日本整形外科学会も、このような症状を伴う腰痛では速やかな受診を勧めています。
プライベートピラティスで大切なのは、自分の身体を見てもらえること
プライベートピラティス、パーソナルピラティス、マンツーマンピラティス。
呼び方はいくつかありますが、本当に確認したいのは名前ではありません。
「自分の身体を見てもらい、自分に必要な運動を選んでもらえるか」です。
運動習慣づくりが目的なら、グループピラティスでも十分です。
一方、姿勢や肩こり・腰痛が気になる、自分の身体の使い方が分からない、グループに通っても変化を感じにくかったという方は、一度1対1で姿勢と動きを確認してみると、これまで見えていなかった課題が分かることがあります。
名古屋で実際にパーソナルマシンピラティスを探している方は、スタジオ選びのポイントをまとめた「名古屋でパーソナルマシンピラティスを探している方へ|身体の悩みに合うスタジオの選び方」も参考にしてください。
Healthcare Studio ileでは、完全マンツーマン・完全個室の環境で、見た目の姿勢だけではなく、立つ・歩く・しゃがむといった実際の動きを確認します。理学療法士の視点をもとに、一人ひとりの身体に必要な方法を考えることを大切にしています。
「自分にはグループとプライベートのどちらが合うのか分からない」という方は、まず一度、自分の身体がどのように動いているのか確認してみてください。
参考文献
Li F, Dev RDO, Soh KG, Wang C, Yuan Y. Effects of Pilates on Body Posture: A Systematic Review. Archives of Rehabilitation Research and Clinical Translation. 2024;6(3):100345.
Fernández-Rodríguez R, Álvarez-Bueno C, Cavero-Redondo I, et al. Best Exercise Options for Reducing Pain and Disability in Adults With Chronic Low Back Pain: Pilates, Strength, Core-Based, and Mind-Body. A Network Meta-analysis. Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy. 2022;52(8):505-521.
de Barros BS, Imoto AM, O’Neil J, et al. The Management of Lower Back Pain Using Pilates Method: Assessment of Content Exercise Reporting in RCTs. Disability and Rehabilitation. 2022;44(11):2428-2436.
日本整形外科学会. 「腰痛」症状・病気をしらべる.
著者・監修者プロフィール
著者・監修者:水野豪司
理学療法士、ピラティスインストラクター、Healthcare Studio ile代表。
姿勢や肩こり、腰痛などの悩みに対し、痛い場所や見た目の姿勢だけで判断せず、背骨・肋骨・骨盤・股関節・足元のつながりと、立つ・歩く・しゃがむといった実際の動きを確認することを大切にしています。
ピラティスを行うこと自体を目的にするのではなく、一人ひとりの身体を評価し、必要に応じてピラティスやトレーニングを選びながら、その場しのぎではない身体づくりをサポートしています。
