猫背や身体の硬さが気になって、
「もっと背中を伸ばした方がいいのかな」
「前屈で床に手が届くように、もも裏をストレッチしよう」
と思っていませんか。
今回は、Healthcare Studio ileスタッフ竹内の姿勢と前屈のビフォーアフターを紹介します。
写真を見ると、立った姿勢だけでなく、前屈したときの膝・股関節・背骨の使い方にも変化がみられます。
ここで一番伝えたいのは、
「猫背なら背中を伸ばせばいい」
「前屈が硬いなら、もも裏を伸ばせばいい」
ということではありません。
前屈一つをとっても、股関節だけでなく骨盤や腰を含めた背骨が連動して動きます。実際、前屈時には腰椎と股関節がそれぞれ動き、その動き方には個人差があることが報告されています。
姿勢も同じです。
一部分の硬さだけを見るのではなく、「身体全体をどう使っているのか」を確認することが大切です。
スタッフ竹内の姿勢・前屈ビフォーアフター
まずは、実際の身体の変化を動画でご覧ください。
動画では、立った姿勢だけでなく、実際に身体を前へ倒したときの動きも確認できます。
写真でも比較してみます。
猫背のビフォーアフター

ビフォーでは、上半身が丸く見えやすい姿勢になっています。
アフターでは、単純に胸を強く張ったというよりも、上半身の位置関係が変わり、自然に身体を起こしやすくなっていることが写真から確認できます。
ここで大切なのは、
「猫背=悪い姿勢」
と決めつけることではありません。
背中は本来、丸めたり伸ばしたりできる場所です。
問題になるのは、
背中を伸ばしたいのに動かない。
姿勢を良くしようとすると腰を大きく反ってしまう。
胸を張り続けないと姿勢を保てない。
といったように、必要なときに身体を動かせないことです。
運動介入によって前方頭位・巻き肩・胸椎後弯などの姿勢指標が変化した研究はありますが、すべての人を一つの「正しい姿勢」に固定することが目的ではありません。
Healthcare Studio ileでは、写真だけで姿勢を評価するのではなく、その姿勢から身体を動かしたときに何が起こるのかまで確認します。
前屈のビフォーアフター

前屈では、さらに違いが分かりやすくなります。
現在掲載している写真では、
ビフォーでは膝を曲げながら前屈しています。
アフターでは膝を伸ばした状態でも、より身体を前へ倒せるようになっています。
ただし、
「手が床についた=身体が良くなった」
という単純な見方はしません。
前屈では、
股関節がどれくらい曲がるか。
骨盤がどのように動くか。
腰や胸の背骨がどう動くか。
膝を曲げて動きを補っていないか。
といった身体全体の連動を見ます。
前屈が硬い=ハムストリングスが硬い、とは限らない
前屈が苦手な人が最初に考えやすいのが、
「もも裏が硬いからストレッチしよう」
という方法です。
もちろん、ハムストリングスの柔軟性は前屈に影響します。
研究でも、ハムストリングスの硬さと前屈時の骨盤・腰椎・体幹の動きとの関連が検討されています。
ただし、前屈はハムストリングスだけで行う運動ではありません。
たとえば、
股関節は十分動くのに背骨がほとんど動かない人。
背骨はよく動くけれど股関節が使いにくい人。
膝を曲げることで前屈を補っている人。
左右で骨盤の動きが違う人。
では、同じ「前屈が硬い」という見た目でも必要なことは変わります。
だから、前屈で床に手が届かないからといって、もも裏だけを毎日伸ばせばいいとは限りません。
猫背も「背中が硬い」だけでは説明できない
猫背も同じです。
背中が丸く見えると、
「胸を張ればいい」
「肩甲骨を寄せればいい」
「背中を伸ばせばいい」
と考えがちです。
しかし、姿勢は背中だけで作られているわけではありません。
骨盤が前へ移動している。
胸郭が骨盤より後ろへ倒れている。
頭が身体より前へ出ている。
股関節や足元で身体を支えにくい。
といった身体全体のバランスによって、結果として背中が丸く見えることもあります。
この状態で肩甲骨だけを強く寄せると、一瞬姿勢は良く見えても、力を抜けば元へ戻ってしまいます。
だから見るべきなのは、
「猫背を作っている筋肉はどこか」
ではなく、
「なぜその立ち方になっているのか」
です。
ストレッチだけで姿勢を変えようとしなくていい
猫背や身体の硬さが気になると、ストレッチを増やしたくなると思います。
必要な可動域を作るためにストレッチを使うこと自体は問題ありません。
ただし、姿勢を変える方法をストレッチだけに限定する必要はありません。
2024年のシステマティックレビュー・メタ解析では、脊柱や骨盤周囲の姿勢に対してストレッチ単独の効果は明確ではなく、筋力トレーニングでは姿勢指標への改善が報告されています。
つまり、
硬いところを伸ばす。
↓
終わり。
ではなく、
必要な場所を動かせるようにする。
↓
その位置で身体を支えられるようにする。
↓
立つ・歩く・しゃがむなど実際の動きで使う。
という流れまで考えることが大切です。
柔らかくすることより「動きを使えること」が大切
前屈で床に手が届くようになることは、変化を確認する一つの方法です。
でも、床に手をつけること自体が目的ではありません。
たとえば柔軟性が高くても、
立つと腰を反る。
スクワットすると骨盤を支えられない。
片脚になると身体が大きく崩れる。
という人もいます。
反対に、前屈で床に手が届かなくても、日常生活や運動で問題なく身体を使えている人もいます。
Healthcare Studio ileが重視しているのは、
「どこまで柔らかくなったか」
だけではなく、
「増えた動きを身体の中でコントロールできるか」
です。
そのため、必要に応じてピラティスだけではなく、スクワットやヒップヒンジ、ランジなどのトレーニングまでつなげます。
ピラティスも柔軟性を高めることも、それ自体がゴールではありません。
自分の身体をより使いやすくするための手段です。
ビフォーアフターを見るときに注意したいこと
ビフォーアフター写真を見ると、
「この運動をすれば自分も同じようになる」
と思うかもしれません。
しかし、この写真はスタッフ竹内の身体の変化を示したものです。
同じ猫背に見えても、身体の特徴は一人ひとり異なります。
また、写真の撮影条件や立ち方によって見え方が変わることもあります。
そのため、ビフォーアフターは「この姿勢になれば正解」というものではなく、
実際に身体の使い方がどのように変化したのかを見る一つの材料
として考えることが大切です。
今回の写真でも、姿勢だけではなく前屈という実際の動きを一緒に確認することで、立った姿勢だけでは分からない変化を見ることができます。
胸を張ると腰が反る人は、胸椎の動きも確認する
猫背が気になる人の中には、姿勢を良くしようとすると腰ばかり反ってしまう人もいます。
その場合、
「もっと胸を張る」
のではなく、腰を大きく反らなくても胸郭・胸椎を動かせるかを確認します。
実際に胸を張ろうとしたときに腰を反らせていたビフォーアフターについては、胸椎伸展と反り腰のビフォーアフターで詳しく紹介しています。
同じ「姿勢改善」でも、必要なアプローチは人によって違います。
自分で姿勢と前屈を確認してみる
自宅でも一度確認してみてください。
まず、鏡の前で「良い姿勢」を作らず、普段通りに立ちます。
その状態からゆっくり前屈します。
確認したいのは、
床に手が届くかどうかだけではありません。
膝を大きく曲げていないか。
股関節から身体を倒せるか。
背骨も自然に動いているか。
左右どちらかへ身体が偏っていないか。
呼吸を止めていないか。
を見てみてください。
そして元の立位へ戻ったときに、
必要以上に胸を張る。
腰を強く反る。
肩へ力が入る。
という動きがないかも確認します。
これだけでも、「身体が硬い」という一言では分からなかった自分の特徴が見えてきます。
痛みがある場合は無理に前屈を深くしない
前屈は、深ければ深いほど良いわけではありません。
前屈すると強い腰痛が出る。
脚にしびれが出る。
痛みを我慢しないと動けない。
という場合は、柔軟性を上げるために無理に深く前屈する必要はありません。
「硬いからもっと伸ばす」と決めつけず、まず症状の状態を確認してください。
特に症状が強い場合や進行している場合は、自己流のストレッチを続ける前に医療機関へ相談することをおすすめします。
猫背や身体の硬さは、姿勢と動作を一緒に見る
今回のスタッフ竹内のビフォーアフターでは、立った姿勢だけでなく、前屈したときの動きにも変化がみられました。
ここから分かるのは、
「このストレッチをすれば猫背が治る」
ということではありません。
姿勢と身体の動きはつながっているということです。
猫背が気になる。
前屈が硬い。
身体を動かすと腰や肩ばかり使ってしまう。
このような場合は、一部分だけを柔らかくする前に、
背骨。
胸郭。
骨盤。
股関節。
そして実際の立ち方や動き方。
まで確認してみてください。
名古屋・栄・矢場町で姿勢を身体の使い方から見直したい方へ
Healthcare Studio ileでは、猫背を見てすぐに
「背中を伸ばしましょう」
と決めることはありません。
立った姿勢だけでなく、
前屈。
スクワット。
片脚立ち。
歩行。
腕を上げる動作。
などを確認し、身体全体がどのようにつながって動いているのかを見ます。
そのうえで、一人ひとりに必要な身体の使い方を練習する手段として、マシンピラティスやトレーニングを活用します。
「猫背を自分で直そうとしても元に戻る」
「身体が硬くてストレッチを続けているけれど変わらない」
「自分の場合は、どこを見直せばいいのか分からない」
という方は、名古屋・栄で姿勢を動作から見直すパーソナルマシンピラティスもご覧ください。
姿勢の形だけを直すのではなく、一度実際に身体を動かして、自分がどのように身体を使っているのか確認してみることから始めてみてください。
