腰椎椎間板ヘルニアで運動はNG?実は“正しく動かすこと”が改善のカギ|理学療法士監修ピラティスのすすめ

腰痛 腰椎椎間板ヘルニア


🔍 この記事でわかること

・腰椎椎間板ヘルニアは、なぜ痛みが出るのか?

・MRIで「手術」と言われたけど、本当に必要?

・ピラティスでどうやって痛みを改善できるのか?

【はじめに|腰椎椎間板ヘルニアに悩む方へ】

腰の痛みや足のしびれ、病院で「ヘルニア」と診断され、動くことすら怖くなってしまった。

そんな方は少なくありません。

「もう運動なんて無理」「安静にしていればよくなるのでは?」

そう思いながら、不安な日々を過ごしている方も多いはずです。

でも実は、腰椎椎間板ヘルニアこそ“正しい運動”が大切。

この記事では、医学的な視点と私たちイレのピラティスの考え方をもとに、改善のためのヒントをお届けします。


【腰椎椎間板ヘルニアとは?|医学的な定義と発生の仕組み】

腰椎椎間板ヘルニアとは、背骨の間にある“椎間板”というクッションの中心部分(髄核)が飛び出し、近くの神経を圧迫することで起こる症状です。

特にL4~L5、L5~S1といった腰の下の部分で多く見られます。

この飛び出した部分が神経に触れることで、腰の痛みだけでなく、足へのしびれや力が入りにくいなどの症状が出てきます。


【どうして痛みやしびれが出るのか?|ヘルニアの機序】

椎間板は年齢や姿勢、過度な負担などにより変性しやすくなります。

その結果、椎間板の中心にある柔らかい髄核が繊維輪を突き破り、外に飛び出してしまうことがあります。

これが神経根に当たると、「ピリッ」とした痛みや、しびれ、筋力低下などが起きてきます。

一方で、飛び出しただけでは症状が出ない人もいます。

大切なのは「神経にどのくらいの圧がかかっているか」「周囲の筋肉がどうサポートできているか」といった、体全体のバランスです。


【安静だけではNG?|運動の必要性とリスク】

「とにかく安静に」と言われがちなヘルニアですが、過度な安静はかえって回復を遅らせることもあります。

動かないことで体幹の筋肉が弱まり、姿勢の崩れや血流不良が進み、結果として症状の長期化・再発リスクが高まるのです。

もちろん急性期や強い痛みがある場合は無理せず休む必要がありますが、

ある程度痛みが落ち着いたら、“安全に動かす”ことが大切になります。


MRIでヘルニアが見つかった=手術が必要、ではない

「MRIでヘルニアが確認されたから、手術が必要」と言われ、不安を感じている方も多いかもしれません。

しかし、実際には画像所見と症状の関連性は必ずしも一致しないことが多いのです。

例えば、ある研究では、MRIでヘルニアが確認された患者を対象に、画像所見と臨床症状の関連性を調査したところ、画像所見と症状の間に明確な関連性は見られなかったと報告されています。(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20697478/

また、別の研究では、MRIで確認されたヘルニアの大きさや位置と、患者の痛みや機能障害との関連性を調査した結果、画像所見と症状の間に明確な関連性は見られなかったと報告されています。(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24381451/

つまり、「ヘルニアがある=必ず症状が出る」「ヘルニアがある=手術が必要」というわけではないのです。

実際、保存療法や運動療法で症状が改善するケースも多く報告されています

イレでは、理学療法士の視点から、一人ひとりの症状や身体の状態に合わせたアプローチを大切にしています。

「画像でヘルニアが見つかったから手術しかない」と諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。


【ピラティスの有効性|“背骨に負担をかけずに整える”という視点】

イレのピラティスでは、関節や神経に負担をかけないよう配慮しながら、

インナーマッスル(腹横筋・多裂筋など)を活性化し、背骨を安定させるアプローチを行っています。

特に大切なのは“ニュートラルな背骨の位置”を保ったまま、呼吸や骨盤の動きを丁寧に意識すること。

これにより、椎間板に余計な圧をかけずに体を整えていくことができます。


「わたしの症状でも大丈夫かな…?」そんな方へ

イレでは、お一人ずつの身体状態に合わせたレッスンをご案内しています。

初回は 60分1,000円の体験セッション をご用意していますので、安心してご相談くださいね。


【ヘルニア改善のための具体的なエクササイズ例(導入編)】

イレでは、腰椎椎間板ヘルニアの方にも安心して取り組めるように、

専用マシン(リフォーマー)を使った、安全性の高いエクササイズを導入しています。

症状の強さや体の状態に応じて、以下のようなエクササイズを行います:


🌀フットワーク(仰向けでの足踏み運動)

→ 背骨にかかる負担が少なく、マシンが身体を支えてくれるため、安心して股関節や膝の動きを引き出せます。

 また、体幹の安定性を養う土台としても最適です。

🌀ショルダーブリッジ(骨盤と背骨をゆっくり持ち上げていく動作)

→ 骨盤まわりの筋肉を刺激しながら、背骨をひとつずつ丁寧に動かすことで柔軟性と安定性を高めていきます。

🌀イヴズランジ(股関節と体幹をつなぐアプローチ)

→ 背骨への負担を抑えつつ、下半身と体幹を連動させる動作。股関節の可動性と姿勢保持力の向上を目指します。


これらの動きは、ご自宅で行うのが難しい精密なコントロールが必要なエクササイズ

その分、リフォーマーによるサポートがあることで、より安全に、

そして**「自分では整えきれなかった身体」**を着実に変えていくことができます。

「ヘルニアのために、できることを試したけどダメだった…」

そんな方こそ、“プロの目で見てもらえる環境”で、安心して身体を整えてほしいと願っています。

どれも無理なく、背骨を守りながら体幹の安定性を高める練習です。


【よくあるご質問】

Q. ヘルニアの痛みが強い時期でもピラティスはできますか?
A. 痛みの強さに応じて無理のない範囲からスタートすることができます。リフォーマーを使うことで、安全に動かすサポートが可能です。

Q. ピラティスと整体やマッサージ、何が違うんですか?
A. 一時的なケアではなく、「正しい動き」を身につけることで根本的な改善を目指します。


【実際の改善事例|40代女性・Aさんのケース】

週1回のレッスンを3ヶ月続けたAさんは、長年悩まされていた腰の重だるさが軽減。

特に朝の洗顔や、立ちっぱなしの家事がラクになったと喜ばれています。

「痛いから動かない」から「動ける範囲で正しく動く」への切り替えが、心身の変化を後押ししてくれました。


【まとめ|今、不安を抱えるあなたへ伝えたいこと】

「ヘルニアと診断されたら、もう運動はできない」と感じる方は少なくありません。

でも、正しい知識と安全な方法、そして一人ひとりに合ったアプローチがあれば、体は確実に変わっていきます。

イレでは、理学療法士の知識をもとに、お一人ずつに寄り添ったサポートを行っています。

「もう治らないかも…」と諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。

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