「ヨガとピラティス、痩せるならどっち?」
「ダイエットにはピラティスの方がいい?」
「ホットヨガなら汗をたくさんかくから痩せやすい?」
運動を始めるとき、こんな疑問を持つ方は多いと思います。
結論からいうと、ヨガとピラティスのどちらか一方が、必ず痩せやすいとは言えません。
どちらにも体重や体脂肪の変化を調べた研究がありますが、対象者や運動頻度、期間によって結果は異なります。
ダイエットで体脂肪を落とすことを考えるなら、
・食事
・日常生活を含めた身体活動量
・継続できる運動量
・必要な筋力トレーニング
まで含めて考えることが大切です。
そのうえで、
姿勢や身体の使い方、筋力も一緒に見直したいならピラティス。
ヨガそのものが好きで、無理なく継続できるならヨガ。
という選び方で構いません。
大切なのは「どちらの名前の運動を選ぶか」よりも、自分が続けられて、目的に合った運動ができるかです。
ヨガとピラティス、結局どっちが痩せる?
研究を踏まえると、
「ピラティスの方が痩せる」
「ヨガの方が痩せる」
と一律に決めることはできません。
ピラティスでは、過体重・肥満の成人を対象にしたメタ解析で体重・BMI・体脂肪率の改善が報告されています。
一方、健康な成人を中心に調べたシステマティックレビューでは、他の運動や何もしない場合と比較して、体組成への明確な優位性は確認されていません。
つまり、対象によって研究結果が違います。
ヨガについても同様です。
肥満のある人を対象とした研究では体重やBMIなどが改善した報告がありますが、システマティックレビューでは研究の質や結果にばらつきがあり、「ヨガをすれば明確に痩せる」と断定できるほど一貫した結果ではありません。
さらに2026年には、30代の成人をピラティス群とヨガ群に分け、週2回・8週間行った研究も報告されています。
この研究では、どちらの群でも体組成に有意な変化はみられませんでした。
参加人数が少ない研究なので、これだけで優劣を決めることはできませんが、
「ヨガかピラティスを始めれば、それだけで体脂肪が落ちる」わけではない
ことを考える一つの材料になります。
痩せるために一番大切なのは「運動の名前」ではない
体脂肪を減らすには、長期的にみて摂取するエネルギーと消費するエネルギーのバランスが重要です。
そのため、
「ピラティスを選んだから痩せる」
「ヨガを選んだから痩せない」
という考え方ではありません。
例えば週1回だけ運動していても、それ以外の日にほとんど身体を動かさず、摂取エネルギーが大きければ体重は減りにくくなります。
反対に、
・食事を整える
・歩く量を増やす
・定期的に運動する
・筋力トレーニングも取り入れる
といった生活全体が変われば、体脂肪を減らしやすくなります。
ダイエット目的で運動を選ぶなら、
「どちらの方が1回でたくさん消費するか」だけではなく、数か月続けられるか
も重要です。
ピラティスはダイエットに意味がないの?
体重を落とすことだけを考えれば、ピラティスだけにこだわる必要はありません。
ただし、ダイエット中の身体づくりとしてピラティスを取り入れる意味はあります。
身体を動かしながら筋力を使える
ピラティスでは、身体を支えながら腕や脚を動かすエクササイズを行います。
特にマシンピラティスでは、スプリングによって補助や抵抗を調整できるため、運動経験に合わせて負荷を変えられます。
ただ身体を伸ばすだけではなく、動きながら筋力を使うことができます。
姿勢や身体の使い方を確認できる
「体重は減ったけれど、思っていた見た目と違う」
ということもあります。
見た目には体脂肪だけではなく、
・姿勢
・筋肉量
・身体の使い方
・立ち方
なども関係します。
ピラティスでは、体重だけではなく、背骨・骨盤・肩甲骨・股関節などをどう動かしているかも確認します。
そのため、
体脂肪を落とすだけでなく、姿勢や身体の動きも一緒に見直したい
という方には選択肢になります。
ただし、
「姿勢が良くなれば基礎代謝が大幅に上がって痩せる」
という意味ではありません。
姿勢改善と脂肪減少は分けて考えましょう。
ヨガはダイエットに向いている?
ヨガにもさまざまな種類があります。
ゆっくりポーズを取るものもあれば、連続して身体を動かす運動量の多いスタイルもあります。
そのため、単純に「ヨガの消費カロリーはこれくらい」と一括りにはできません。
ヨガによる体重や体組成への影響を調べた研究もありますが、結果は一貫していません。
肥満のある成人を対象とした2023年のシステマティックレビューでも、体重などの改善を示す研究がある一方、研究の質には課題があり、身体計測値への効果を明確に結論づけるには不十分とされています。
だからといって、ヨガをダイエット目的で行う意味がないわけではありません。
ヨガが好きで、
「これなら週に何度か続けられる」
のであれば、運動習慣を作る方法の一つになります。
続けられない“効率の良い運動”より、継続できる運動の方が現実的には重要です。
ホットヨガとピラティスはどっちが痩せる?
「ホットヨガは大量に汗をかくから、普通のヨガやピラティスより痩せる」
と思う方もいるかもしれません。
しかし、汗をかいた直後に体重が減る主な理由は、体内の水分が減ったためです。
水分を補給すれば体重は戻ります。
汗をたくさんかくことと、体脂肪がたくさん減ることは別です。
もちろん、ホットヨガそのものを楽しめて運動習慣になるのであれば選択肢になります。
ただ、
「汗の量=脂肪燃焼量」
とは考えない方がいいでしょう。
ダイエット目的なら、ホットヨガかピラティスかより、
・どの程度身体を動かせるか
・週にどのくらい継続できるか
・食事も含めて生活を整えられるか
を見ることが大切です。
ヨガとピラティスの違いをシンプルに比較
どちらも身体を動かす方法ですが、レッスンの特徴には違いがあります。
ヨガ
ヨガは呼吸とともにポーズを取り、身体を動かしていきます。
ただしヨガにはさまざまな流派やスタイルがあり、運動強度も大きく異なります。
ゆったりしたレッスンもあれば、連続してポーズを行う運動量の多いレッスンもあります。
ピラティス
ピラティスでは、背骨・骨盤・肩甲骨・股関節などをコントロールしながら身体を動かします。
マットを使う方法だけでなく、リフォーマーなどのマシンを使う方法もあります。
マシンでは補助と負荷の両方を調整できるため、一人ひとりに合わせやすいことが特徴です。
ダイエット目的ならどう選べばいい?
迷っている場合は、「どちらが痩せる?」ではなく、自分が何を求めているかから考えてみてください。
運動を楽しく続けることを優先したい
ヨガが好きで、
「この時間なら定期的に通えそう」
と思えるなら、ヨガを選んで問題ありません。
ダイエットでは運動を継続することが大切だからです。
姿勢や身体の動きも一緒に確認したい
体重だけではなく、
・猫背や反り腰など姿勢が気になる
・身体が硬い
・左右差が気になる
・運動すると決まった場所ばかり疲れる
という場合は、ピラティスを取り入れる意味があります。
筋力もしっかりつけたい
この場合は、ヨガかピラティスかという二択にしない方がいいでしょう。
目的によっては、ピラティスと筋力トレーニングを組み合わせる方法があります。
例えば、
ピラティスで身体の動きを確認する
↓
必要な可動域を使う
↓
スクワットなどで筋力をつける
という進め方もできます。
Healthcare Studio ileでも、ピラティスだけに限定せず、その人に必要であれば筋力トレーニングも取り入れています。
「体重を落とす」と「見た目を変える」は少し違う
ダイエットでは体重だけを見てしまいがちですが、
体重と見た目は同じではありません。
同じ体重でも、
・体脂肪率
・筋肉量
・姿勢
・身体の使い方
などによって見た目は変わります。
だから、
「体重を何kg落としたい」
だけでなく、
「どんな身体になりたいのか」
まで考えることが大切です。
例えば、
「体重より、お腹まわりや姿勢を変えたい」
のであれば、食事だけで体重を減らすのではなく、筋力や身体の動きも一緒に考えた方が目的に近づきやすくなります。
ピラティスはどのくらい続ければいい?
「何回やれば痩せる?」
という疑問も多いと思います。
しかし、体重減少について、
「週○回ピラティスをすれば、○か月で必ず痩せる」
という基準はありません。
運動頻度だけではなく、
・食事
・日常の活動量
・現在の体重や体脂肪
・運動強度
・筋力トレーニングの有無
などによって変わるからです。
ピラティスの頻度について詳しく知りたい方は、ピラティスを月4回続けたときの効果と頻度も参考にしてください。
初心者ならヨガとピラティスどっちがいい?
初心者だから、必ずどちらか一方を選ぶ必要はありません。
「運動経験がないからヨガ」
「身体が硬いからピラティス」
という決まりもありません。
重要なのは、
初心者に合わせて難易度を調整してもらえるか
です。
特に、
・運動経験が少ない
・身体が硬い
・姿勢や痛みに不安がある
・周りについていけるか心配
という方は、マンツーマンで身体を見てもらう方法もあります。
ダイエット目的でピラティスを始めるなら
Healthcare Studio ileでは、
「痩せたいから全員このメニュー」
というレッスンは行っていません。
同じ「ダイエット」が目的でも、
・運動不足を解消したい
・筋力をつけたい
・姿勢も整えたい
・身体を動かしやすくしたい
・トレーニングもしたい
など、必要なことは人によって違うからです。
まず身体の状態を確認する
姿勢だけでなく、実際に身体を動かして、
・どこが動きにくいか
・どこに力が入りやすいか
・どのくらい運動できるか
を確認します。
ピラティスとトレーニングを使い分ける
必要であればマシンピラティスだけでなく、筋力トレーニングも行います。
ピラティスをすること自体を目的にせず、
今の身体と目的に何が必要か
を考えて運動を選びます。
まとめ|ヨガかピラティスかより「続けられる身体づくり」を選ぶ
ヨガとピラティスのどちらが必ず痩せるかについて、現在の研究から明確な優劣を決めることはできません。
どちらにも体重や体組成の改善を報告した研究がありますが、対象者や運動量によって結果は異なります。
ダイエットで大切なのは、
ヨガかピラティスかという二択だけで考えないことです。
体脂肪を落としたいのであれば、
・食事
・日常の身体活動
・継続できる運動
・必要な筋力トレーニング
まで含めて考えましょう。
そのうえで、
姿勢や身体の使い方、筋力も一緒に見直したい
のであれば、ピラティスは一つの選択肢になります。
自分では、
「どんな運動をすればいいか」
「ピラティスだけでいいのか」
「筋トレも必要なのか」
を判断しにくい場合は、一度身体の状態を確認してから考えても構いません。
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参考文献
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著者・監修者プロフィール
水野豪司|理学療法士・Healthcare Studio ile代表
姿勢や身体の痛み・不調、身体の動かしにくさなどに対して、身体全体のつながりと実際の動作を確認しながらサポートしています。
ダイエットについても、特定の運動だけですべてを解決すると考えるのではなく、身体の状態や目的に合わせてピラティス・筋力トレーニングなどを使い分けることを大切にしています。
